新社会人が景気を支える【2006年 第1回】

【2006年 第1回】新社会人が景気を支える  新社会人

山下 修一 (ヤマシタ シュウイチ) ⇒ プロフィール

この春から新社会人として羽ばたく皆さん、少し早いですが、新しい門出を迎えられておめでとうございます。

今は最後の学生気分を満喫されている頃だと思いますが、社会に出ると学生時代とは比べものにならないほど生活のスピードが変わります。
企業側は新社会人をじっくり育てようとする余裕は、今はあまり無いと思われます。
なぜなら、2007年の団塊世代の退職を控え、皆さんをできるだけ即戦力にしたいと考えているはずですから。

学生時代の思い出作りも大切ですが、せめて3分の1ぐらいの時間は、社会人になる前の基礎能力づくりについて、自分なりに課題を見つけて取り組んでみてください。

お給料をどう使う?

さて、社会人となって1ヶ月ほど経ちますと、初任給が銀行口座に振り込まれると思います。
これは本当に嬉しいものです。手にした給与明細を見ると学生アルバイトの時とは違って感慨もひとしおです。
さて、社会人として働いたお給料をどう使うか?色々と考えていることでしょう。

近年の傾向としては、使い道の1位が「親へのプレゼント」、次に「預貯金」「仕事に必要なもの」「趣味など自分の好きなこと」の順に続いています。
(ユーキャン調査:2005年「新社会人の意識調査」より)

1・2位の内容から、最近の新社会人は自分の周りの方々へ感謝や将来への備えをしっかり考えているなあという印象です。
私が社会に出た1980代後半(バブル期に入った頃)は、4位「趣味など自分の好きなこと」がもっと上位に来ていたと思います。
3位の「仕事に必要なもの」ですが、スーツ、本、パソコン等のモノを思い浮かべますが、自身を向上させる(人脈作りや自己啓発)ための出費もあると思います。
将来への投資という意味では両方を考えておきたいものです。

近畿地方の商品販売動向

そして、春先というのは新社会人の消費が旺盛になる時期だと言えます。
毎年この層の消費に期待を込めて商戦が繰り広げられ、景気を左右する1つの要因になっています。

地域事情のコラムですので、ここでは近畿地方の景気を考察してみましょう。
その一面を表すデータとして直近期間の商品販売動向を取り上げてみました。

・大型小売店(百貨店+スーパー)販売額
平成17年10~12月期 全店ベース前年同期比0.3%増(全国0.2%増)
~平成10年4~6月期以来の30期ぶりのプラス~
・コンビニエンスストア販売額
平成17年12月期 全店ベース前年同月比0.9%増(全国0.1%増)
~5ヶ月連続のプラス~
(近畿経済産業局調査、大型小売店販売状況(近畿) 平成17年12月速報より)

厳冬という季節要因がありましたが、近畿地方の景気回復の兆しではないかと思われる結果です。
今後この勢いが果たして本物になるのか、一時的なもので終わってしまうのか、新社会人の消費動向が大きなカギを握るのではないでしょうか。

お金の使い方を身につけるのが社会人の第一歩

景気回復を願って、新社会人の方にはたくさん消費に回していただきたいところですが、最初の2~3ヶ月は出費が多すぎて、貯蓄がまったく出来なかったという人も見かけます。
私自身もそうでした。

そうならないためにも、きちんとした計画を立てて、上手なお金の使い方を身につけるのが社会人の第一歩だと思います。

【2006年03月09日00時00分】

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