【2014年 第6回】 エンディングノートを考える~その2- それぞれの終活をプランすること
山根 裕子⇒プロフィール
終活セミナーに行くとほぼすべてのセミナーに「エンディングノートを作成する」という項目があります。前回は、エンディングノートのとらえ方や書く内容をみてきました。今回はいつどのように書くのかをみていきます。
「書こうと思った時が書き時」
・エンディングノートを書く時
「エンディングノートは書かない」と言われる方に書かない理由を聞いてみると「書き始めて見たけれど大変だった」「今はまだ必要ない。必要な時期が来たら書く」というお答えがとても多いのですが、必要な時期には実際には書けなくなっている場合もあります。少しずつであっても「書こうと思った時が書き時」と思って書き始めるのがきっかけかになるのではないでしょうか。
一度書いたノートを自分の誕生日とか、お正月などに改めて見なおして加除修正していくのもよいかもしれません。
・自筆で書くか
パソコンが広く定着したこともあり、手書きで文字を書くことが少なくなった方も多い時代になりました。エンディングノートにはインターネットでその様式をダウンロードするスタイルのものや、CDにノートのフォームがあってパソコン上で書けるものもあります。手書きで書くにしても加除式で書き換えたページを差し替えることのできるものもあります。
自筆の遺言書は書き損じなどの対応の形式が厳格に定められていますが、エンディングノートは法的拘束力を目的にしているのでないので、鉛筆書きであったり、パソコン上のデータであることも構わないわけです。 財産などのデータについて、情報を記録して残しておきたい場合はパソコンで作成するのが効率的かもしれません。
書き換えられたくないとか、法的拘束力を持たせたいという場合には、形式に則った遺言を作成します。
・市販のエンディングノートの利用の仕方
エンディングノートを書くことを決めたら、まずはエンディングノートとして用意されたものを入手されるのがよいでしょう。
ノートは自分の気持ちや状況について自らをみつめて書くものですが、読み手である家族などを意識して書くものでもあります。相手に伝わる書き方をどのようにするかとか、どのような内容を書くかということを整理してあるエンディングノートとして作成されたものを利用するのはノートを書きあげる近道と言えましょう。
エンディングノートを書く目的を考慮して選んでみてください。
初めはそんなに重厚なものでなくてもよいでしょう。葬儀社などが無料で提供しているものは比較的コンパクトなものが多いですが、人生の最後に関する点にポイントが絞られている傾向もあります。
市販されているものはいろいろなタイプがあります。エンディングノートを書く目的を考慮して選んでみてください。
いずれにせよ、全部を忠実に埋めていく必要はありません。また、作成していく中で、内容の一部としてパソコンで作成した表を足すとか、パンフレットなどの資料を併せて添付するなど自分らしい内容に練りあげていくとマイエンディングノートができていきます。
自分の人生が終わった後のことを書く目的にするのもエンディングノートの形のひとつですが、今から過ごす人生をどのようにしたいかということを記すものとして考えた場合、自分のことについて明快な説明ができないとか、判断ができない場面で周囲がどのようにサポートするかの情報源にもなります。
そのために自分がこれから何をしたいのか、できるのかを考えるきっかけづくりにもなります。
ハッピーなこれからの時間を過ごすことに役立てることができるわけです。
次回は最終回、終活をサポートする人についてお話いたします。
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