【2014年 第7回】終活を後押ししてくれるアドバイザー- それぞれの終活をプランすること
山根 裕子⇒プロフィール
一回しかない人生。生まれてから今までのたくさんの「初めての体験」をしてきました。 ひとりで「何か」ができるようになるのは3歳の頃ですが、そのころの体験は全てがワクワクドキドキでした。
子供の時には楽しかった「初めて」も、年齢を重ねると不安になります。子供の時は戸惑っている私達に年長者がやさしく見守って手を差し伸べてくれましたが、そういう人がいるとは限りませんから。そんな時にファイナンシャルプ
ランナーは結構役に立ちます。
セカンドライフの時期はまだけっこう忙しい
・セカンドライフからサードライフへ
お仕事を定年でリタイアされた。子どもたちが巣立って行った。など毎日会社や家族のために朝から晩まで過ごしていた時を終えてからの時間を「セカンドライフ」といいます。
セカンドライフの時期はまだけっこう忙しいです。今までは朝起きたら仕事に行かなくてはならなかったのですが、それがなくても旅行に行ったり、趣味を本格的に活動したり、ボランティアがあったりなど、毎日は忙しく過ぎていきます。
とはいえ、今まで一気に出来たことができなくなったりして、忙しい割にたくさんのことができなくなることにも気づきます。更に、今まで会社がしてくれたことを自分で手続きするようになったり、環境の変化に対応しなければならなかったりしてきます。
・健康寿命
そうしているうちに本格的にいままでと違う状況が現れてきます。時折頭の中がぼんやりしてしまったり、身体が思うように動かなくなってみたり。病気やけがなどでその後急激にできないことが増えてしまうこともありますが、そうでなくても次第にできないことがでてきます。
生活のいろいろな場面で他人の手を借りたほうが安心できる段階を「サードライフ」と私達は呼びます。セカンドライフとサードライフの境目の年齢を「健康寿命」と呼びます。
「平均寿命」と言われるものは、毎年敬老の日の頃に新聞等で取り上げられていますのでご存知ですね。厚生労働省が発表している最新の日本人のデータは、女性86.61歳、男性80.21歳です。一方で「健康寿命」はとなると、女性74.21歳、男性71.19歳だそうです。何年か、日常生活に制限のある時期を送るのは避けられないのかもしれません。
・自分の生き方をプロデュースする
「生まれけり、死ぬまで生きるなり」と武者小路実篤が残した言葉がありますが、生きている間、いかにして自分の思うように生きていくかということを想定して考えていくことで自分の納得もいきます。
会社に属している間は会社がやってくれていた多くの手続きを自分でしなくてはならなくなりますし、自分や配偶者の生活の質を保つために様々なサポートを受ける。あるいは財産について検討して組み替えるなどのことを行う、あるいは予定していく時に自分一人で情報を集めて判断していくのはとても大変なことです。
私が実家に行くと、80歳を超えた両親に自治体や金融機関などからいろいろな印刷物が送られてきていますが、あのたくさんの資料を全部理解して的確な対応をしていくのは無理であろうと思います。
身近なファイナンシャルプランナーを持って相談
・かかりつけのファイナンシャルプランナー
そんな時に身近なファイナンシャルプランナーを持って相談されるのはいかがですか。
かかりつけのお医者様というのはその患者さんの持病や生活を知っていて、お医者様の持つ医学の知識の中から治療をしてくれたり、必要であれば大病院へつないでくれます。
かかりつけのファイナンシャルプランナーもまた、クライアントの家族構成や財産などについてよくわかった上で手続きをサポートしてくれますし、必要であればふさわしい専門家に適切な指示をしてつないでくれます。
私自身も、お客様とのお付き合いはその方お一人とではなく、ご家族とのお付き合いを心がけています。そこに100万円あってどうすればよいかと言われても、答えは一つではないからです。100万円でリフォームを勧める方もおられれば、元気なみなさんと旅行におでかけになることを薦めたい方もおられます。
相続の場面での財産分けについても10の家族があれば10の答えがあります。
終活のプランニングをしていく際に、かかりつけのファイナンシャルプランナーがいれば、相談をしながらひとつひとつの段階を進めていくことができ、安心して毎日を過ごしていただけるのではないでしょうか。
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