【2010年 第6回 養育費増で住宅ローン返済が不安!】相談コラム
佐藤 名ゝ美(サトウ ナナミ)⇒プロフィール
このコラムは、相談いただいた事例を紹介するコラムです。
相談者・家族構成
夫(43)会社員、チューリップさん(34)専業主婦、長男(小1)、長女(年中)
相談内容
上の子が小学校に入学したため、今後は、塾やお小遣いなどの出費が増えそうです。
将来の学費に備えて、子ども1人につき月々1万円ずつ銀行に積み立て中。ただ、大学へ進学するのであれば、子ども自身にもアルバイトなどで少しは学費を負担してもらうつもりです。
収入の変化はしばらくないと思いますが、あと22年残っている家のローンが気がかり。これからどうするべきかアドバイスをお願いします。
回答
お子さんが小学校に入学なさったばかりですが、先々までのビジョンをしっかりと描いておられますね。
将来の教育資金の準備手段も「なんとなく学資保険」になっていないところがさすがです。
イマドキの学資保険は元本割れしてしまうものが多いですから、銀行の定期積立という選択は堅実だったと思います。
気になるのが、家と車のローン返済額。年間合計額が191万円と、手取り収入の約4割にも上ります。
残高から逆算すると、車の分は2~3年後の完済でしょうか。これが終わったら、新たなローンは組まないように、浮いたお金で住宅ローンの繰り上げ返済資金の準備を始めましょう。
上のお子さんが中学校に入学される6年後には、住宅ローンの金利が変更になりますね。
その際に、金利が上がり返済負担も重くなる可能性が高いと思われます。
そうなると、特に9年後(長男:高校入学)から18年後(長女:大学卒業)にかけて、よほど収入が増えない限り赤字が続く恐れが…。
そんな事態を避けるために、金利変更時に住宅ローンの繰り上げ返済を実行しましょう。
ひとまずは、毎回の返済負担を押さえる『返済額軽減型』を選択します。
現在の返済水準である7万円以下には押さえておきたいところですね。
ご心配の完済時期については、教育資金がクリアできたところで検討します。『返済期間短縮型』で繰り上げ返済すれば完済時期を早めることができます。
将来、学費の一部をお子さんに負担してもらうことには、個人的に大賛成です。
高校生になる頃には家計のことをきちんと理解できるように、今のうちからお金の教育をしっかりなさって下さい。
これには、日々の積み重ねがとても大切です。まずは、おこづかいの管理をお子さん自身にさせてみることから始められると良いですよ。
このコラムは、熊本日日新聞(2004年4月~2005年3月)に掲載された「家計CHECK」を加筆修正したものです。
この記事へのコメントはありません。