住宅を夫婦共有名義で購入したい【2010年 第11回】

【2010年 第11回 住宅を夫婦共有名義で購入したい】相談コラム

佐藤 名ゝ美(サトウ ナナミ)⇒プロフィール

 

このコラムは、相談いただいた事例を紹介するコラムです。

 

 

 

相談者・家族構成

夫(36)会社員、いちごさん(37)パート、長女(3)

相談内容

近いうちにマイホームを建てたいのですが、その際は、土地・建物とも夫婦の共有名義にしようと思っています。共有名義のメリット・デメリットを教えてください。

自己資金は800万円程度を予定。私たちの収入で無理なく返済できる予算の目安はいくらでしょうか。

また、生命保険についてもアドバイスをお願いします。

 

 

 

 

 

 

回答

まずは予算から。「無理なく返済できる金額」をどう見るかによって、相当な幅が出てきそうです。

予定されている自己資金の800万円を、純粋にローンの頭金(諸経費は別)と考えて、月々の返済額を今の家賃と同水準とするならば、物件価格の目安は2,440万円程度となります。(1,640万円借り入れ・金利3.0%・35年償還・ボーナス返済なし)

 

一方、毎月14万円の貯蓄を行った後に、さらに毎月4万8千円もの黒字家計であることを考えると、月々の返済額が10万円でも「無理はない」と言えるのかもしれません。

こう考えた場合には、物件価格の目安は3,400万円程度となります。(2,600万円借り入れ・金利3.0%・35年償還・ボーナス返済なし)

 

さらに、ボーナスから15万円程度の返済をしてもいいのであれば、650万円程度の予算アップも可能です。あとはどこにどんな家を建てたいかでしょう。

 

マイホームは、ご夫婦での共有名義をご希望ですが、各人の持分比率に注意する必要があります。

収入から判断すると、「いちごさん2割:夫8割」程度とするのが妥当です。収入(=各人の返済負担)に応じた持分にしておかないと、その差は贈与したものとみなされ、贈与税の課税対象となってしまいます。

いちごさんの持分をもっと増やしたいのであれば、相当の頭金をいちごさん固有の預貯金から支払う必要があります。

 

マイホーム取得と同時に、生命保険も見直しましょう。ご夫婦ともに団体信用生命保険に加入されたら、保障額も抑えられるでしょう。

 

あとは、毎月の貯蓄について、目的別に運用方法を変える必要があると思います。老後資金など超長期の資金には、投資型の金融商品も組み込んでおきたいものです。

 

このコラムは、熊本日日新聞(2004年4月~2005年3月)に掲載された「家計CHECK」を加筆修正したものです。

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