【2006年 第1回】葬儀は最後の価値観を表現する場! 相続
内海 常雄
葬儀は、会社づきあいなどの参列も含めても、多い方で年に数回しかないと思われます。
また、一般参列者として参加する場合、当然ながら、どのような方法で行っているのか?といったところまで目が行き届かないと思われます。
そして、葬儀は宗派により行い方が違いますが、地域によっても行い方が違います。したがって、いざ、私たちが身内の葬儀を行うといった場合、どうすればよいの?といった方が多いと思いますが、最近では、葬儀屋さんが行い方については細かい部分にまで、アドバイスをしてくれる場合が多いですので、その点は気にすることはあまりありません。
しかし、ある程度は知っておいてもいいのではないかと思われますので、地域ごとの特徴についてご紹介しましょう。
地域ごとの葬儀の特徴
石川県では、出棺の際に、喪主は白装束で火葬場まで行く風習が残っており、法要は、初七日までは簡素に行い、一周忌以降を盛大に行うといった傾向があるようです。
富山県では、出棺に際に、呉西では喪主・親族は白装束を着けますが、呉東では普通の喪服といったように違いがあり、骨上げは、総骨上げをする風習があるため、骨壷は比較的大型となっているようです。
福井県は、湯かんの時に、以前は、男性の場合、髭を剃り落とし、女性の場合、女は髪を短くなるように切ってましたが、現在は、男性の場合お棺の中に剃刀を入れ、女性の場合、お棺の中に鋏を入れるようになっています。
さらに、大切な行事として、通夜には遺族や近所の人によって「ご詠歌」が唱えられているようです。
新潟県の場合、火葬が終了するまでは白いローソクを使用し、収骨後の法要などでは赤いローソクを使うようです。
また、葬儀後の火葬が一般的で、出棺の時に「鳩を飛ばす」あるいは「鳩を流す」と呼ばれる「放生」の風習があります。
長野県の場合、地域によっては、出棺の際に参列者が白い布を肩に掛けるようです。
さらに、納棺が終わるとすぐ近親者だけで別れの膳を囲みます。
なお、長野県西部地域においては、日のあるうちは葬儀を出さないといった風習があります。
(全国儀式サービス・ガイドブックより)
新しい葬儀の方法
しかし、最近は、「葬儀はその方の最後の意思表示」といった考え方から、これまでのやり方にこだわらない新しい葬儀の方法が登場しています。
例えば、お坊さんなどの宗教者を、招かずに、宗教色を出さずに自由な形で行う「無宗教葬」と呼ばれるもの、生演奏などの音楽を「献奏」する、音楽を重視した「音楽葬」、海や川、山、などに散骨を行う「自然葬」、さらには、森の中に、樹木を植えたりして埋葬する「樹木葬」などがあります。
自分の希望は伝えておく
まだ、珍しいですが、本人が生きているうちに行う「生前葬」もあります。
これは、お世話になった方々に直接、自分でお別れとお礼を言うことができるメリットがあります。
このように、個人の価値観が重視されるようになってからは、これまでの形式にとらわれない葬儀の方法が登場しています。
もし、自分の希望があるのであれば、言いにくいお話ですが、家族や身内に事前に伝えておく必要があると思います。
【2006年08月08日00時00分】
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