【2006年 第1回】死ぬ人が多いという報道をどう読むか 相続
山根 裕子 (ヤマネ ユウコ)⇒ プロフィール
毎年6月に厚生労働省から「人口動態統計」の発表があります。
日本は人口右肩上がりの国でした。
ということは生まれる人の数が常に死亡する数を上回っていたのです。
人口減少
ところが昨年ついに人口が減り始めました。
平成17年の出生数は約106万人で前年比5万人弱の減少、これに対し死亡数は約108万人で前年比5.5万人増加。日本人が2万人減少しました。
たった2万人かもしれませんが、戦後の日本は毎年100万人以上人口が増えていたのです。
25年位前から年間の人口増はブレーキがかかり始めました。
平成になって50万人を切りました。まず、出生数が減り、死亡数も次第に増え始めました。
死亡率
日本よりも高齢化が先行しているヨーロッパでは人口1000人に対する死亡率が既に10ポイントを超していますから(日本は9弱)高齢者人口がますます増えることを考えると死亡数は増えていって当然のことです。
全死亡数に占める65才以上の割合は平成17年で82%です。
昭和40年頃は60%以下でした。65才以下の死亡数は30年位変化していません。
年齢の高い人が増えるということはその人たちの最期の時の件数も増えるということです。
遺されてうれしいか迷惑かはいろいろでしょうが、生まれたばかりの子供と違って何かを遺していくということが伴ってきます。
遺していく側、遺される側とそれぞれの立場はありますけれど、「亡くなった後」ということについて少しは知識を持っておいたほうがよいと思います。
相続税
「相続」というと税金のことが連想されますが、全死亡数の中で相続税の対象となる数は4.2%。
相続税の申告対象となっている方は少ないのですが、相続税のない方にしても亡くなられた後何もすることがない訳ではないのです。
「うちは税金払うほどないから何もしない」という方、ちょっと待ってください。
【2006年07月25日00時00分】
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