相続税負担と課税強化【2006年 第2回】

【2006年 第2回 】相続税負担と課税強化  相続

 猪股 豊⇒プロフィール

全国の相続税額の推移を見ると2000年191,069百万、2001年167,820百万、2002年148,407百万、2003年131,991百万、2004年129,372百万と逓減傾向が続いている、
法定相続人一人当たりの納付額を見てみると、2000年8.9百万、2001年8.2百万、2002年7.6百万、2003年7.0百万、2004年7.1百万と2003年より2004年の増額が見られる。
これは、路線価の下落傾向が一段落し上昇傾向が一部に現れた影響であろう。

法定相続人数  納付税額   一人当たり
(単位百万)
2000年  21,470人  191,069百万  8.9百万
2001年  20,441人  167,820百万  8.2百万
2002年  19,608人  148,407百万  7.6百万
2003年  18,802人  131,991百万  7.0百万
2004年  18,116人  129,372百万  7.1百万

日本の相続税・贈与税の最高税率は50%であるが、相続税では3億円超の財産を取得した場合に課せられる。
しかし、贈与税の場合は1千万超の財産を取得した場合に課せられる。

海外の相続・贈与

諸外国の場合は、贈与税の負担が軽い場合が多い、生前贈与によって若い者へと財産が早く移転するのがよいと考えられている事による。
日本においても、相続時精算課税制度の導入によりこの考えが具体化された。
しかし、これにより、相続税の負担が軽減されたものではない。ちなみに、アメリカでは遺産税の廃止がされている。
日本では、相続税の負担が軽いと、税の役割の一つである「富の再分配機能」が働かず、資産を持つ人と持たない人の格差が固定化するとの指摘がされており、
相続税についての課税が強化される方向にある事は事実であろう。

 

【2006年8月1日】

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