【 2010年 第4回 】 教育資金が足りないときどうする?
長谷 剛史⇒プロフィール
子どもの大学・短大・専門学校進学に合わせて教育資金を準備するつもりだったが実際には準備できていない場合、
つまり、教育資金が足りない時どうしたらいいでしょう?
まずは、教育資金の考え方から見てみましょう。
教育資金を考える4つのステップ
1、 子どもの予定進路で卒業までにどれくらいの教育費が必要なのか把握する
2、 現状準備できている教育資金を把握する(学資保険や貯金等)
3、 必要な教育費から準備できている教育資金を差し引きして、いくら足りないのかを把握する
4、 足りない教育資金の準備方法を考える
足りない教育資金の準備方法として、主に奨学金と教育ローンが考えられます。
奨学金には、日本学生支援機構(旧育英会)・地方公共団体・民間育英団体・新聞社・大学や短大・専門学校独自で設けているもの等があります。
一番有名で利用者が多いのは、日本学生支援機構(旧日本育英会)になります。
教育ローンには、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に代表される公的なローンと、労働金庫や銀行・JAなどが行っている民間のローンとがあります。
一番有名で利用者が多いのは、公的なローンである日本政策金融公庫になります。
奨学金と教育ローンを利用するにあたっては、違いを理解することが非常に大切です。後で後悔することがないように大きな3つの違いを見てみましょう。
奨学金と教育ローン3つの違い
1、『お金を借りる人・返済する人が違う』
奨学金は、子どもがお金を借りて卒業後子ども自身が返済していくことになります。
教育ローンは、親が借りて親が返済していくことになります。
2、『お金の受け取り方が違う』
奨学金は、在学中毎月振り込まれる分割での受け取りですが、教育ローンは、一括でお金を受け取ります。
3、『使い道が違う』
奨学金は、子ども自身の生活費に充てたり、貯金することにより授業料に充てることができます。
入学時に必要なお金が不足する場合は、教育ローンを利用することによって奨学金を受け取る前の入学時の費用や授業料の支払いに対応することができます。
奨学金・教育ローン利用上の注意点
1、 親の世代では、大学入試というと一般入試を受験し高校3年の卒業間近に進路が決まり、入学金等を納めることが一般的でした。
しかし、現在では推薦入試・AO入試が高校3年の秋に実施され進路が決定することが多いです。
つまり、お金の面で言うと納付時期が早まっているということです。
2、 多くの奨学金は、実際にお金が受け取れるのは進学した後になります。
つまり、入学時に必要な費用について奨学金で賄うことはできません。
一般的な私立自宅生の場合で入学までにかかるお金は約120万円と言われていますので、入学時のお金の準備方法としては教育ローンの利用を考える必要があります。
3、奨学金や教育ローンを利用したいと思っても、一般的には条件があります。
例えば、日本学生支援機構の奨学金には親の年収基準と子どもの成績基準の2つが設けられています。
また、日本政策金融公庫の教育ローンには親の年収基準が設けられています。
つまり、奨学金や教育ローンを利用したくても利用できないこともありますので注意してください。
子どもの可能性は無限大ですので、経済的な理由で進学を諦めることがないようにしていただきたいと思います。
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