【2012年 スポットコラム】家庭でできる金銭教育 ~相談・スポットコラム~
瀬尾 由美子(セオ ユミコ)⇒プロフィール
私は現在、ファイナンシャルプランナーとしての活動のほかに、鹿児島県金融広報委員会から金融広報アドバイザーとしての委嘱を受けて金融広報アドバイザーとしての活動も行っています。
金銭教育「おこづかいの使い方」
最近、金融広報アドバイザーとして小学生のお子さんたちに「おこづかいの使い方」などの金銭教育のお話をさせていただく機会が増えてきました。その中で感じることなどを紹介していきたいと思います。
私が金銭教育のセミナーでお話させていただくのは、小学校の中学年から高学年までのお子さんたちが対象となる場合が多いのですが、夏休みに開催は、保護者の方と一緒に参加するセミナーもあります。親子参加の場合は、お子さんたちだけの時よりも保護者の方がご参加されることで、家庭でも金銭教育に取り組める効果があるので、企画されることが多いです。
セミナーの中では、まず「おこづかいをもらっていますか?」という質問をします。
次に、「もらったおこづかいで何を買いましたか?」ということや、「家のお金はどこからきますか?(誰が働いてお金が家にくるのか)」ということなども質問します。
最初の質問に対しては、各ご家庭の考え方によりおこづかいを貰っているお子さんと貰っていないお子さんが存在します。その次の質問に対しては、様々な回答があります。
次に、金融広報中央委員会が作成している「ホシガリ姫の冒険」とういビデオを見てもらいます。20分程のアニメーションなのですが、お子さんたちはくいいるように真剣に見ています。
このビデオの内容は、わがままでぜいたくに育ち、ものを大切にしないカトリーヌ姫が、魔法をかけられ、お城から追い出されます。貧しいジャンという子の家で暮らすうちに、ものやお金を大切にすることや働くことの喜び、またお金を計画的に使うことができるようになっていく様子が描かれています。このビデオは子どもたちだけでなく、私たち大人が見ても楽しめるような内容になっています。
このビデオを見た後で、「今買いたい物は何ですか?」「それは必要な物ですか、欲しい物ですか?」という質門をします。するとお子さんたちは、自分が買いたい物が本当に必要な物なのか、ただ単に欲しい物なのか見事に区別することができています。これは素晴らしいことだといつも感心しています。
そもそも「金銭教育」や「金融教育」とは何でしょうか?
金融広報中央委員会のWEBサイトである「知るぽるとの金融教育プログラム」によると、「金銭教育はものやお金を大切にすることを通じて、お金や労働の価値を知り、感謝と自立の心を育てることによって、人間形成の土台作りを目指す教育である。金融教育はそうした金銭教育の伝統を十分継承しながら、実践的な消費者教育やキャリア教育、さらにはマクロ的な金融・経済の把握といった要素を取り込みながら組み立てられている。その意味では金融教育は金銭教育を包含し、より幅広い内容に発展させたものと位置づけることができる。」と書いてあります。
つまり、幼児や小学校の児童を対象に、「ものやお金を大切にすること」や「労働の対価として報酬がもらえること」を教え、中学校や高校では「消費者教育やキャリア教育および金融・経済に関する知識の習得」など体系的なプログラムと考えられているのです。
家庭でも一緒に考える
現在、学校では文部科学省の指導要領の下、社会科や家庭科などの教科で金銭教育や金融教育が行われています。しかし、この金銭教育や金融教育は学校だけで完結するものではありません。
家庭でも「物やお金を大切にすること」「必要なものか欲しい物を見極めること」「計画的にお金を使うこと」など、保護者の皆さんたちとお子さんたちが一緒に考えてできることがたくさんあります。一方的に教えるのではなく、一緒に考えていきながらお子さんの成長を促すことができればいいですね。
最後に、先ほど紹介した「ホシガリ姫の冒険」は、金融広報中央委員会のWEBサイトである「知るぽると」で見ることができます。
興味のある方はご覧になってくださいね。
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