【2014年 第3回】スマート家庭経営への道~貯蓄する意味は?
計画・準備は豊かな人生へのステップ
中村 真佐子(ナカムラ マサコ)⇒プロフィール
貯蓄などの金融資産のない世帯は、20%超えている現状は前回のコラムで触れました。貯蓄は、ライフプランの実現のために行わなければならない、家庭経営の行動の1つです。今回は、貯蓄のモチベーションを上げるための「計画」「準備」の大切さをみていきます。
貯蓄力のある人はどんな人?
ママ友達の付き合いの中で、よく「どうしたら貯蓄ができるの?」と聞かれます。「なかなかできないのよね~」なんて言葉も出てきます。
このような人は、どうして貯蓄ができないのでしょう。
貯蓄ができるのは、貯蓄する力があるかないかの差なのではないでしょうか。
前回のコラムでご紹介した、金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](2012年)によると年収1,000万円~1,200万円でも、金融資産がない人が1割ほどいます。
一方で、年収は低くてもしっかり貯蓄をしている人もいます。貯蓄のあるなしの差は、貯蓄する力の差といえるでしょう。
「貯蓄力」です。
では、貯蓄力のある人はどんな人なのでしょう。
私たちは、働いて収入を得て、生きるためにお金を支出して生活をしています。支出は生きるため以外にも、楽しみなどにもお金を支出します。同じ支出でも「今」必要なお金と「将来」必要なお金があります。同じ支出でも「少額」で済むものと「高額」なものが存在します。
同じ支出でも人により、お金の使い方の優先順位が違います。
貯蓄はできないと悩んでいる人は、支出に関して「今」する支出と「少額」の支出の優先順位が高いのではないでしょうか。月の収入のうちとりあえず使うお金を優先して、余ったら貯蓄しようという発想につながります。おそらく余らないので、貯蓄できないとなってしまうのです。
「将来」する支出と「高額」の支出の優先順位の高い人は、月の収入のうち将来必要なお金を先取り貯蓄して、残りのお金で生活をするというお金の使い方をしているのです。したがって、貯蓄ができているのでは?と察します。
さて、皆さんのお金の使い方の優先順位はどうでしょう。
貯蓄は何のためにするのか?
貯蓄は何のためにするのでしょう。改めて考えてみましょう。
お金は使うものです。貯蓄は、将来何かに使うためにするものです。
その何かは、毎月の収入では、とても賄いきれないものだったり、使うのは当分先というものです。
人生の3大支出といわれている、教育資金、住宅資金、老後資金などがそれに当たりますね。
中には、貯蓄する人が使わず、子孫に財産を遺すという方もいらっしゃいます。将来何かに使うためでも、子孫に財産を遺すのも、使うための目的を持つことが貯蓄をすることの意義といえるのではないでしょうか。
目的をもって貯蓄するのと、ただ何となく貯蓄をするのは、モチベーションが違います。貯蓄ができない人は、その目的が具体的にイメージでいないからなのでは?もしくは将来よりも「今」が大切で、考えが及ばないのかもしれません。
将来の目的を明確にするにはどのようにしたらよいのでしょう。
自分の将来を具体的に描いてみることをやってみましょう。
「ライフプラン」を作るのです。家族の年齢を並べて年表のようなものを作ってみましょう。
「○年後には、子どもが小学校入学だわ。」
「子どもが中学に上がる○年後には広い家に住みたいね。」
など、ライフプランは、家族の計画を明確にでき、それが何年後に訪れるかイメージできるのです。
「計画→準備→お金を使う」の消費行動を実践しよう
「ライフプラン」を早くたて、実行に移す人ほど人生が豊かになります。同じ消費行動でも、大きな差が生まれるのです。
ライフプランに「車の購入」があったとします。今はその資金がないとき、どう判断しますか?
「今」買うか?「貯めてから買うか?」のどちらかの判断になります。
車購入に120万円必要な場合・・・
「今買う」なら120万円のローン。支払いは、「毎月5万円+利息 2年で返済」
「貯めてから買う」なら「毎月5万円を2年間、120万円貯蓄+利息」
貯める金利よりも借りる金利の方が高いです。貯める利息は自分のものになりますが、借金の利息は支出となります。車を買うことによる支出は、「今」買う方が支出増となります。
このように、計画を立て、準備した上でのお金の使い方と、行き当たりばったりのお金の使い方とでは、普段の小さな買い物でもその判断を繰り返していると、将来大きな差が生まれます。
「計画→準備→お金を使う」という消費行動の癖をつけましょう。一連の行動が豊かな人生へのステップとなります。
スマート家庭経営を目指し、人生を豊かにするには、「今」ライフプランを作成し、将来「お金を使う」ための「計画」をたて「準備」として貯蓄を始めましょう。
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