【2013年 第9回 発達障がい児を持つ会社員のパパママための知識 ~有給休暇・後編~ 】
発達障がいの子をもつ家庭のためのファイナンシャル・プランニング
平野 厚雄(ヒラノ アツオ)⇒ プロフィール
このコラム連載は、ファイナンシャルプランナーとして、社会保険労務士として、発達障がいを持つ子の父親として、私が何を感じ何をしてきたのか?そして、発達障がいを持つ子の親が知っておくべきことは何か?という視点で執筆していきたいと思います。
●私の有給休暇取得の例
前回からの続きですが、有給休暇は労働義務が無い日に取得することはできません。例えば、息子が緊急入院した私の例ですと、図1のようになります。
1月29日(土)と1月30日(日)は、事務所として所定休日と法定休日となっており、そもそも労働義務が無い日でしたから有給休暇を取得することはできません。したがって、有給休暇を取得できるのは、労働義務がある1月24日(月)から1月28日(金)と、1月31日(月)の6日間取得したということになります。
私の場合は、息子が低血糖で緊急入院した時にこのように有給休暇を取得することができました。有給休暇は何度も申し上げてきたとおり、労働義務のある日に休めるものです。さらにポイントとして「通常通り働いたと同じ給与をもらえる」ということもあります。つまり、私はこのように息子の看病のために、有給休暇を使って休むことにより給与が減らされることなく、安心して休めたということです。
●有給休暇の申請方法
前回、原則、有給休暇は要件を満たせば自動的に発生していつでも取得できるということを書きましたが、実際は会社で取得方法等について取り決めがされている場合がほとんどです。その場合は、その取り決めに従う必要があります。では、この取得方法はどのように確認すれば良いのでしょうか?
このモデル就業規則の意味することをご説明すると、まず、原則として有給休暇を取得するには、取得する希望の日の1週間前までに書面で提出する必要があります。そして、その日にその人に休まれると、事業の正常な運営を妨げることになってしまう場合は、会社から取得日の変更を打診されます(ここで、会社から何も打診がなければ、その希望の日に取得できます)。
ここまではお分かりいただけるかと思いますが、問題は「3」の規定があるかどうかということです。実際のところは、ほとんどの会社の有給休暇の規定でこの「3」を設けていると思います。私の場合も、今回の息子の入院の件で有給休暇をつかえたのは、初日に関しては事前に連絡することは不可能でしたから、この「その他やむ得ない事情」ということで、事後に会社に承認してもらい有給休暇とすることができました。
●まとめ
障がい児を持つ会社員の親御さんにとっても有給休暇は大切な権利です。これからの万が一のことを考慮して、自分には現在、何日の有給休暇が残っているのか?そして、その有給休暇を取得するにはどのような取り決めになっているのか?ということを、これを機会にきちんと確認していただきたいと思います(なお、常時働く従業員が10名未満の事業所で就業規則の作成義務が無い事業所の場合は、過去の会社の慣習や各種法令に従い取り扱うことになります)。
「Fight4u」は、自閉症等の発達障がい児・者のお父さん等のランナーもしくはランナーのサポーターの方を中心に組織されたグループ「Run4u」の兄弟グループです。「Fight4u」では、格闘技を通じ社会に対して「発達障がい」についてのメッセージを発信しています。「Fight4u」のコンセプトは以下の5つです。
(1)格闘技を通じて健康を維持・向上しましょう!
(2)発達障がいに関する理解と支援を求めるメッセージ付きのTシャツや、パンツ、スパッツ、胴衣にロゴをつけて、社会にメッセージを発信しましょう!
(3)障がいのあるなしに拘わらず、誰もが活き活きと輝き、豊かに暮らせる社会「インクルージョン社会」の実現をめざしましょう!
(4)子どもを守るため、親御さんも強くなりましょう!
(5)格闘技を通じて、親子関係を深めましょう!
この「Fight4u」は格闘家だけが対象ではありません。格闘技は見る専門の人、昔格闘技をやっていた人、子どもに格闘技をやらせたい人、格闘技を通じて健康になりたい人、格闘技に興味がある人等、何らかのかたちで格闘技に関係している人、興味を持っている人であれば歓迎です。この「Fight4u」の活動にご興味がある方は、以下のHPよりお問い合わせください。
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