【2013年 第1回 増えているの?歳の差カップルの現状】歳の差カップルのライフプランニング
川崎 由華⇒プロフィール
歳の差カップルを応援するべく、『歳の差カップルのライフプランニング』というテーマで1年間お伝えしていきます。
最近、歳の差カップルの話題をよく耳にしますが、実際はどのような傾向にあるのでしょう?今回は、歳の差カップルの現状を探っていきます。
歳の差カップルは増えているのでしょうか?
最近、有名人の恋愛・結婚ニュースを見ていても、歳の差カップルの話題をよく耳にします。先日は22歳差のある石田純一&東尾理子夫妻に待望の赤ちゃんが誕生したと。また、少し前には磯野貴理子さんが24歳年下の男性と再婚したと。ここまで大きな歳の差はなくとも、歳の差のあるカップルが身近に思えるようになっているように感じます。とても幸せそうで、羨ましくも思うこともありますね。
実際として、歳の差カップルは増えているのでしょうか?データを探ってみましょう。
資料:厚生労働省統計情報部「人口動態統計」より抜粋
図1のグラフは、初婚夫婦の婚姻時平均年齢から男女の年齢差の算出し、その推移をみたものです。平均初婚年齢はいつの時代も男性の方が高く、この年齢差は男性-女性の年齢を示しています。
1979年に2.5歳(平均初婚年齢:男性27.7歳、女性25.2歳)だった年齢差は、2010年には1.7歳(男性30.5歳、女性28.8歳)まで縮まっています。男女ともに晩婚化が進み、平均初婚年齢は上がっている中で、男女の歳の差は意外にも縮まっているようです。つまり、男性に比べ、女性の初婚年齢の方が高まっているとも読めますね。
初婚夫婦の年齢差
また、図2のグラフは、初婚夫婦の年齢差別の婚姻件数の構成比の変化を示したものです。
資料:厚生労働省統計情報部「人口動態統計」より抜粋
このグラフを見ると、今から約40年前(昭和45年(1970年))に男性が年上の婚姻割合(グラフ内青色矢印で示す)は約80%を占めていたものの、時代と共に減少し、平成21年(2009年)には約56%となっています。それに対し、女性が年上の婚姻割合(グラフ内赤色矢印で示す)はこの約40年の間に約14%も増えています。また、夫婦が同年齢の婚姻割合も、10%から20%へと倍増しています。
これらのデータから、世間で歳の差カップルが増えているというイメージは、ただイメージだけで事実ではないのかもしれません。
そして事実として言えるのは、女性の晩婚化によって夫婦間の歳の差は縮まっていること、夫が年上というのは一昔前の夫婦関係で、夫婦が同年齢であったり、妻が年上の夫婦が増えてきているということです。
これらの傾向の理由は、社会の変化に伴う女性の生き方の変化、男性の意識の変化にあると私は思います。
昔は、女性は寿退社をして専業主婦になり、夫の収入だけで家計をやりくりする家庭がほとんどでした。そのため、お見合い結婚にしても恋愛結婚にしても、男性の経済力の安定が結婚に必須条件だったでしょう。また、1985年に男女雇用機会均等法が施行されたとはいえ社会自体が男性有利の雇用であったり、年功序列型の賃金体系であったり、そういった社会の背景があるから、女性は年上の男性と結婚し家庭に入ることが自然だったのだと思われます。
しかし、社会が変わり、女性が変わりました。
女性も社会で働き続ける環境が作られ始め、年功序列型の賃金体系は崩れ始めました。それと共に、結婚に対しても男性の経済力への依存が薄れ、女性にとって年上男性だけが結婚対象というわけでもなくなったのでしょう。
同じように、男性の意識も変わったことでしょう。
1992年、共働き家庭数が専業主婦家庭数を超えました。そして2009年には共働き家庭数は専業主婦家庭数の1.2倍になっています(内閣府「平成21年度 男女共同参画白書」より)。夫婦の有り方自体が変わったとも言えるでしょう。今は、共に働いていける女性をパートナーに選ぶという視点から、男性が年上女性に魅かれるのかもしれません。
本コラムのテーマである「歳の差カップル」は、実際には増えていないのかもしれません。しかし、増えているというイメージの先行によって、以前は厳しかったであろう周囲の目も和らいできているように思いませんか?これから先、歳の差カップルの恋愛も結婚も増えていくかもしれませんね。
私は歳の差カップルを応援するべく、来月から、歳の差カップルならではの「気になる点」に対してFP目線でのアドバイスをお伝えしていきます。
どうぞよろしくお願いします!
この記事へのコメントはありません。