【2013年 第2回 DINKSへのアドバイス】歳の差カップルのライフプランニング
川崎 由華⇒プロフィール
歳の差カップルにも、いろいろなスタイルがあるでしょう。今回はその中でDINKSに絞り、歳の差婚だからこその強み、心がけておくべきことなどのアドバイスをお伝えしたいと思います。
DINKSとは
歳の差婚の夫婦の皆さん、あなた方はDINKSですか?
DINKSはDouble Income No Kidsの略で、共働き(Double Income)していること、子供(No Kids)がいないこと、という2つの条件を満たした夫婦のことを指します。
意識的に子供を作らない、持たないという考え方や価値観を示すため、結婚してまだ日が浅く子供がいない夫婦や何らかの事情により子供を持つことができない夫婦は、通常含めません。
DINKS の上手な貯蓄法とは
DINKSは、お互いが収入を得ているうえ、教育費の捻出も必要ないため自由になるお金も多く、悠々自適な生活を送れると思いがちですが、お互いが自由に使えるがためにご相談をお受けすることがあります。
お話を聞いてみると、生活費として決まった額だけ出し合い、その他のお金はお互い関与しないというスタイルのご夫婦がほとんどで、相談時に初めてお互いの収入を知るというケースもあります。
お互いの収入を合算するとかなりの金額になるのに、夫婦の貯金額は年収からすると驚くほど少なく、マイホームをご購入するなどの大きな金額を必要とする場面になって現状に気付いて慌てられ、FPにご相談にいらっしゃるのです。
お互いがお互いの貯金に期待するのではなく、貯金目標を共にし、貯金のお財布を1つにして二人で貯めていくこと、これがDINKS時代に間違いなく貯蓄をしていける方法であり、DINKSだからこそ有効な貯蓄法だと思います。
歳の差のあるDINKS の収入プランを知ろう
歳の差のあるDINKSは特に、この貯蓄法を活かし、結婚当初から貯蓄を心がけていくことが、将来のために非常に大切になると私は思います。
理由として、年上の夫(妻)は結婚した時点で、生涯賃金の多くを既に得てしまっていて、今後得られる総収入に限りがあること、歳の差婚の場合、定年退職や年金受給開始の時期の差が夫婦で大きく違ってくること、この2点を挙げます。
例えば、会社員の夫が45歳、会社員の妻が30歳の時に結婚した夫婦を考えましょう。
(現状の制度では)妻が45歳の時に夫は60歳定年を迎え、妻が50歳の時に夫の老齢年金受給が始まり、夫が75歳の時に妻が60歳定年退職、妻の老齢年金受給が始まって夫婦共に年金が受給される頃には夫は80歳です。
結婚して最初の15年間が共働きで収入を得られる期間、その後5年間は妻の収入のみ、その後10年間は妻の収入と夫の年金収入、その後5年は夫の年金収入のみ、そしてようやく夫婦二人分の年金収入となりますね。
この例だと、共働きできる期間はたったの15年。結婚時の妻の平均余命が56年(平成23年度版 厚生労働省 簡易生命表より)であるので、残りの41年間もの期間は妻自身の収入か年金収入のみの生活となります。
夫の定年退職により収入は減ることが読めるならば、DINKS時代こそが貯蓄の時期であることがおわかりになるでしょう。この例とは逆に、妻が年上である場合でも、同じことが言えます。
一方、歳の差婚だからこその強みもあります。
年上の夫もしくは妻が先に定年退職したとしても、年下の妻もしくは夫が現役で働き続けられるため、世帯として収入が途絶えることはありません。
退職から年金受給までの夫婦揃っての無収入期間がないということは、歳の差婚の非常に大きな強みです。
夫婦で将来のプランニングをしよう
ところで、歳の差婚のDINKSの皆さん、きちんと将来のお話をされたことがありますか?
お子さんを持たないことへのお互いの気持ちを確認し、お互いの仕事を理解し合い、DINKSを続けていくプランニングをされていますか?
これからの住まいや、お互いの仕事のこと、老後のこと、介護のこと、相続のこと…歳の差があるからこそ少し早めにプランニングが必要にもなってくることもあります。
将来のことについてお互いに同じ気持ちでいることが、お金のプランニングにおいてもとても重要です。
夫婦の時間、自分の時間を存分に楽しみ、そしてたくさん夫婦で語り合いましょう。
次回、歳の差夫婦の子育て編に続きます!
この記事へのコメントはありません。