【2008年 第6回 医療保険を考える(2)】地域コラム 東海
松山 智彦(マツヤマ トモヒコ)⇒ プロフィール
前回のコラムで、短期の医療保険は不要ではということを言いました。
それは「小さなリスクは保有し、大きなリスクは移転する」というリスクマネジメントの基本的な考えに基づいた発言です。
では、短期の入院は、小さなリスクなのでしょうか?
例えば、小学校に行く前の子供がいる夫婦の場合を考えてみましょう。
夫が3日間入院しても、会社における仕事には影響が出るかもしれませんが、有給休暇を使うなど収入面の損失は少ないでしょう。また、支出面においては、前回述べたとおり、疾病の内容にもよりますが、10万円の出費に至るケースはまれだと思います。
では妻が同じ日数入院した場合はどうでしょうか?入院を含めた治療費は夫と同じであっても、それ以外の出費が予想されます。つまり、子供の面倒を誰かにお願いしたり、家事を誰かにお願いするという出費です。これは親などにお願いするという手もありますが、それでも費用がかさむ事が予想されます。
このように短期の入院は、人によっては思わぬ大きな出費、リスクになる場合もあります。
特に専業主婦における医療保険や死亡保険は、夫や共働きの妻と比べておろそかにしがちであるが、意外と経済的に痛手を被ります。
さらに自営業者の場合には、短期の入院であっても、サラリーマンのような有給休暇とがありませんので、就業不能時のリスクヘッジとして検討してみる価値がありそうです。
医療保険を検討するとき、「治療に係る出費」に注目しがちですが、「治療以外に係る出費」や「収入の減少」についても注目しましょう。
また医療保険だけでなく、死亡保障に疾病入院特約を付ける、治療に多額のお金がかかるがん保険や特定疾病保険の加入、傷害保険や傷害入院特約など、幅広く検討し、保険料とそれに見合ったリスクとを比べて自分にベストな保険をじっくり検討してみましょう。
この記事へのコメントはありません。