【2008年 第11回 ホントにベストな生命保険① ~アウトプットを意識していますか?】地域コラム 東海
松山 智彦(マツヤマ トモヒコ)⇒ プロフィール
「生命保険なんてどれも一緒でしょ」「安い保険料のものがいい保険」
生命保険を選ぶ時に、誤解している一例です。しかし、安い保険に加入したが、ためにいざ、必要な時に「保険給付が受けられません!」なんて事になるとそれまでの保険料が無駄になってしまいます。
保険料を安くするのがベストではなく、払った保険料分のサービスを受ける事ができる保険がベストな保険だと私は考えています。
保険給付を受けるために
生命保険は、死亡や入院など、約款に記載されている保険給付要件(保険事故といいます)に適合すれば、必要な書類を保険会社に提出して保険給付を受ける事ができます。実際には、保険給付に問題がない事を審査してからになります。この審査に掛る時間が保険会社によってまちまちです。また、入院特約(医療保険)の場合には、入院診断書などが必要ですが、これを作成する費用が5,000円から1万円かかり、1泊2日入院などでは、手続をしても殆ど手元に残らない・・・なんて事もあります。また、ケガの場合は給付されるが、病気の場合には給付されないといった事にも注意が必要です。
通院特約などは「入院給付」が前提
通院特約や、手術特約などは入院する事が前提になっています。つまり、日帰り手術や単なる通院だけでは、給付を受ける事はできません。最近では、ガンの治療に”入院を伴わない”方法があります。そこでガン保険の中には、「診断給付金」という形で、ガンと診断されたら給付が受けられるものがあります。また骨折などで給付される「特定損傷特約」は入院を伴わないものがあります。
再発による再入院の場合の注意
入院特約や医療保険の場合、1回の入院日数が180日や60日など、その保険契約の通算入院日数とは別に定めているものがあります。この場合の1回の入院に注意が必要です。例えば、胃潰瘍で入院し、一度退院したあとにまた同じ胃の再病気で入院しました。退院から再入院までの日数が180日以内の場合には、1回の入院とみなされる場合があります。1回の入院が60日タイプに加入していて、最初が40日、退院後180日以内に30日の再入院の場合には、1回の入院とみなされて60日分しか給付されません。1回の入院の考え方に注意してください。
付帯サービスをバカにするなかれ
生命保険に加入するとさまざまな付帯サービスがあります。例えば、セカンドオピニオンサービスは、治療方法に迷っている場合に、別の医者の意見を聞く事ができるサービスです。また専門医を探してくれるサービスやレストランやレジャーの割引サービス、海外でのトラブルをサポートするなどサービスも保険会社によってさまざまです。中には一般で加入する場合の月額費用よりも安い保険料で同等のサービスが受けられるものもあります。
解約返戻金の活用
「保険を解約する」という前提で商品選びをするのは、保険の考えからすると邪道かもしれませんが、解約返戻金は、隠れた貯蓄といっていいと思います。終身保険や養老保険の場合には、契約期間が長いと既払い保険料よりも解約返戻金の方が上回る事があります。この機能を活用して、「遺族への保障」をしつつ「老舗生活資金」を定期保険などで作る事も可能です。そういった機能を重視した保険商品も販売されています。
契約前に契約内容の確認を
可能であるならば、「約款」や「契約のしおり」をよく読んで、どんな時に給付がでるのか?どういう手続をすればよいのかを確認しておきましょう。読解するのが難しいようであるならば、生命保険の設計書を読み、説明を充分に受けてください。気になるケースなどがあれば、質問を必ずしましょう
生命保険は、住宅の次に高い買い物だといわれています。また10年以上も長く付き合う商品でもあります。安いだけではなく、ホントウに必要な時に保険としての機能を発揮してくれるものを選びましょう。
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