通信状況:静岡県の場合は?【2012年 第10回】

【2012年 第10回】 通信状況:静岡県の場合は? エリア別コラム – 地域:東海甲信越

松山 智彦(マツヤマ トモヒコ)⇒プロフィール

 

 

地域コラムの東海甲信越を担当します松山智彦です。私のコラムでは静岡県を中心にご案内をいたします。10月のテーマは「通信」。

 

 

 

遠隔地との連絡はどのように取られていますか?電話?手紙?それともインターネット?
今回は、郵便、電話、インターネットのここ3年間の推移をみていきたいと思います。

○統計データより

1)郵便引受数

手書きでお手紙やはがきをもらう機会がすっかり減りましたよね。
静岡県の平成20年から22年までの郵便引受件数ですが、平成20年に4億2500万通だったのが、平成22年には4億1000万通にまで落ち込んでいます。
この原因として考えられるのは、電子メールの普及、ライバル社の成長などが考えられます。また年賀状の利用も8200万通から8000万通と落ちこんでいます。

静岡県 郵便引受件数

2)電話契約件数(固定電話、携帯電話)

携帯電話、お持ちですか?家に固定電話を設置していますか?
固定電話は契約件数が逓減し、静岡県では平成22年には100万件を割り込んでしまいました。一方携帯電話は逓増し、平成22年には300万件を超えました。特に1単位当たりの通信量が大きい3G携帯(いわゆるスマートフォン携帯)の増加率はすさまじく、平成21年は平成18年の約50%増になっています(平成22年のデータについては不明)。

因みに、固定電話と携帯電話との契約件数に開きがあるのは、固定電話が世帯で所有するのに対し、携帯電話は個人で所有するためだと予想します。“キッズ携帯“など小学生も携帯電話を所有しています。

静岡県 電話契約件数

3)インターネット

静岡県におけるインターネット回線の接続契約件数では、光回線(FTTH)の平成22年の件数が、平成18年の約3倍まで伸びているのに対して、ADSLは約30%減になっています。総件数でみてみすと、平成18年が約80万件に対して、平成22年には96万件とインターネット導入の世帯が20%も増えています。

静岡県 インターネット回線接続契約件数

4)家計における通信費(静岡市)

最後に静岡市の家計における通信費の推移を見てみますと、平成20年をピークに逓減しています。これは、携帯電話料金を定額制にシフトする事によって通信費が抑えられたのではないかと思います。携帯電話といいながら、最近はメールやSNS等で会話(といえるのだろうか?)する事が多く、その事で通信費が抑えられているのかもしれません。

静岡市の家計における通信費の月平均額

○通信の将来像

さて、いろいろなデータをそろえて比較してみましたが、通信技術の進歩とともに、通信手段を変化している事がこの短期間の間でもよく分かります。これは静岡県に限らず全国でも同じ傾向にあるようです。長く郵便を利用した時代が続きましたが、それが固定電話に代わり、携帯電話に代わり、現在ではスマートフォンやタブレットPCが主流になりつつあります。近未来には、めがね型や時計型の通信手段が出現しそうです。昭和の時代にSF映画、テレビに出ていたそれらの機器がいよいよ現実になりつつあります。

そういった便利さの一方で家計における通信費が平成18年頃には1万円を突破しました。便利さにはコストがかかるという事なのかもしれませんが、他の家電などと同様に普及率が上昇する事で、個々のコストが下がるだろうと予想します。
最近では、ひとり暮らしをしている人の増加に伴い、携帯電話さえあれば固定電話はいらないという方も増えつつあります。(考えてみたらどちらか一方さえあれば事は足りますよね。)
ますます、個性化(単性化)が進むのかもしれませんね。

○おまけ:公衆電話設置件数

最近、公衆電話をみかけなくなりましたね。携帯電話などの普及によって、公衆電話の利用する機会が減ってきています。設置にはコストがかかるという事で、NTTでは10年前と比べ約35%にまでその数を減らしています。
しかし、実は災害時にはこの公衆電話が活躍します。先の東日本大震災や、阪神淡路大震災の時は、回収した公衆電話機器を使い、臨時に公衆電話を設置したり、公衆電話に通信の優先順位を与えたりして、通信手段の確保に活躍しました。

また、いくら携帯電話が普及しているといっても、子供に携帯電話を持たせる事に抵抗感のある親や、携帯電話の操作が容易ではないお年寄り、そもそも携帯電話を必要としない人には、外出先での通信手段にはいまだに重宝されています。
私の調査では、駅構内または駅周辺には、必ず公衆電話が設置されています。

昭和の時代には、外には赤電話、飲食店などにはピンクの電話機、繁華街などの主要道路には電話ボックスなどがありましたよね。
設置数や利用件数は減ったとはいえ、まだまだ公衆電話には活躍してほしいものです。もちろん、私も普段からテレフォンカードを持ち歩いていますよ。

公衆電話設置件数(NTT東日本、NTT西日本)

 

データ出所:統計センターしずおか http://toukei.pref.shizuoka.jp/index.html
総務省・情報通信白書(平成23年)

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