【2015年 第1回 投資指標とは何ですか?】 イメージ図で理解すると投資指標って簡単!
伊藤 美恵 ⇒プロフィール
昨年2014年1月から、ニーサ(NISA)こと、「少額投資非課税制度」が、10年の期限措置として開始されました。アベノミクスの影響で、株取引などをまた再開しようと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、金融機関などで行う株式セミナーなどに参加すると、お話についていけなくて、迷子状態になったご経験はありませんか?それはなぜでしょうか?それは、セミナーの中で、投資指標が出てきたりするからです。そこで、この機会に株式投資に必要な投資指標の知識を学びましょう。
2014年1月ニーサ制度開始
昨年2014年1月からニーサ(NISA)が開始されました。ニーサが始まってから、お客様から「私も株取引を始めたいのだけど」というご相談を多く受けるようになりました。アベノミクスの影響で、また株取引を再開しようと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、ただ何となく株式投資を始めるのではなく、しっかり株式投資に必要な知識を学んで欲しいと思います。なぜならば、投資は自己責任の時代だからです。
皆様は、株式投資を勉強しようと思い、金融機関などで行う株式セミナーなどに参加したものの、途中でお話についていけなくなり、迷子状態になったご経験はありませんか?それはなぜでしょうか?それは、セミナーの時間に、投資指標が出てきたりするからです。
実は、昨年参加した株式セミナーで、講師の方が、「株価収益率(PER)は、ご存知ですか?」と尋ねたところ、参加者約30人中、手を挙げられたのは、私を含む3人ほどしかいらっしゃらなかったことを覚えています。つまり、セミナーに参加された大半の方が、株式セミナーで何を言っているのかついていけず、迷子状態になるのは、投資指標に多くある難しい言葉がひとつの原因になっているのではないでしょうか?
株式投資を再開される方々にも理解しやすいように、株式投資の個別銘柄の分析方法「投資指標」について、次回よりイメージ図を取り上げて説明をします。そして今回は、「投資指標」とは、どんなものかについて、ご案内したいと思います。
株式の分析方法
株式の分析方法は、大きく分けて下記の2つがあります。
テクニカル分析
相場の方向、勢いなどを、 チャート、各種のテクニカル指標などを用いて予測する分析手法です。過去の株価などの結果から将来の株価を予測します。売買のタイミングを捉えるためには、テクニカル分析が必要です。
ファンダメンタル分析
株価は会社の業績などで決まるという考え方から、個別企業の業績や財務状況などの分析をして、相場を見通そうという手法です。投資対象銘柄の選別を行います。
つまり、ファンダメンタル分析で個別銘柄を選定し、テクニカル分析で買うタイミングを予測するという二段階分析を行います。
今回より、個別銘柄の分析するためのファンダメンタル分析である「投資指標」について、お話して参りたいと思います。
投資指標とは
投資指標や株価指標という言葉を聞いたことはありませんか?株価指標は、投資指標のひとつです。投資指標とは、個別銘柄の株式を分析するための指標です。投資指標を活用すると、自分が検討している株式が将来的に成長していく可能性のある銘柄なのか否か、現在は株式が割安で買えるのか、買うには割高なのか、判断する手助けとなるのです。
「成長株」と「割安株」
株式投資は、「成長株」と「割安株」を見つけて投資することが基本となります。
成長株とは
売上や利益を年々増やしている企業の株のことで、成長していると言うことから「グロース株」とも言われています。主に財務諸表(決算書)等を用いて、将来株価が上昇する可能性が高い銘柄を探します。売上高や利益が、毎期順調に伸びているかどうか、せめて過去3年分の業績は見たいところです。そして、売上高と利益が毎年増加傾向にあるかどうかを確認して判断することはもちろん、成長株かどうかを見る投資指標も活用しながら判断します。
割安株とは
現在の企業価値に比べて、実際の株価が過小評価されている企業の株のことで、割安と言うことから「バリュー株」とも言われています。主に投資指標である株価指標等を用いて探しますが、こちらも、財務諸表(決算書)をベースに計算します。業績が不安定な銘柄は避けて、毎期しっかりと利益を上げている企業であるかどうかも確認しながら、割安かどうかを判断します。
株式投資は、売り上げや利益を年々増やして成長している企業や、現在の企業価値より割安になっている企業を見つけて投資することが基本であり、どちらも財務諸表(決算書)を見る必要があります。財務諸表とは、決算書とも言われています。株式投資をするにあたって、財務諸表は大変に重要なものです。
実は言うと、財務諸表(決算書)が解れば、「投資指標」は、簡単にイメージできるようになります。
なお、ファンダメンタル分析ができると、仕事上でも大変に役に立つと思います。例えば、自分の会社の財務はどうなっているのか?取引先に考えている企業の財務はどうなっていて、取引しても大丈夫なのかどうか?そういうことも、見えて来ると思います。ファンダメンタル分析の知識は、これからを生きる人にとって、仕事で役立ち、資産運用にも役立つという、一石二鳥な知識なのです。
次回は財務諸表(決算書)のひとつである「貸借対照表」についてお話します。
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