【2015年 第2回 財務諸表を理解しよう!貸借対照表編(1)】 イメージ図で理解すると投資指標って簡単!
伊藤 美恵 ⇒プロフィール
せっかく参加した株式セミナーで、講師の言っていることが理解出来ないと感じたことはありませんか?その原因のひとつが、実は投資指標なのです。投資指標が理解出来るだけで、難しいと感じるハードルは、ずっと低くなります。では、どうしたら投資指標を理解出来るのでしょうか?投資指標を理解するためのベースになる財務諸表について、学んでみましょう。
株式セミナーが理解できない原因とは?
株式を勉強しようと、金融機関で開催している株式セミナーに参加した経験や、株式の書籍や雑誌などを購入した経験はありませんか?しかし、せっかく参加した株式セミナーで聞いたことや、購入した書籍の中に書いてあることに対して、理解出来ないと感じたことはありませんか?その原因のひとつが、実は投資指標なのです。投資指標が理解出来るだけで、難しいと感じるハードルは、ずっと低くなります。では、どうしたら投資指標を理解出来るのでしょうか?
投資指標を理解したければ、財務諸表を理解せよ!
投資指標を理解するためには、財務諸表を理解することが、一番の近道です。財務諸表は、決算書とも言われています。財務諸表(決算書)と聞くと、一見、難しそうだと思ってしまいませんか?でも、そんなに難しく考える必要はありません。財務諸表(決算書)は、一般家庭に置き換えると、家計簿に似ています。財務諸表は、家計簿の規模を大きくしたものだと考えてみましょう。
財務諸表が解れば、株価指標などの投資指標・財務比率などが、イメージしやすくなります。何度もイメージすることに慣れれば、投資指標を聞いただけで、頭の中のキャンバスに投資指標のイメージ図をたやすく描けるようになります。財務諸表すらも、イメージ図で覚えてしまいましょう。
3つの代表的な財務諸表(決算書)
代表的な財務諸表は、次の3つです。
① 貸借対照表(B/S:Balance Sheet)
② 損益計算書(P/L:Profit and Loss Statement)
③ キャッシュフロー計算書(C/S:Cash flow Statement)
今回は、3つの代表的な財務諸表の一つである「貸借対照表」について、お話したいと思います。
貸借対照表とは?
貸借対照表を、一度、家計簿に置き換えて考えてみましょう。家計簿をつけていると、1年ごと・半年ごとなどに、今の家計状況がどうなっているのかを把握したいと思うことがありますね。
家計であれば、例えば、一年でいくら貯蓄が増えたのか?減ったのか?貯蓄総額がいくらになったのか?ローンなどの借金があれば、いくら増減したのか?一年間で家計の状況がどう変わったのか?が知りたい所です。
企業の場合は、貯蓄を「純利益」に、貯蓄総額を「純資産」に、ローンなどの借金を「負債」に、家計の状況を「企業の財政状態」に置き換えてみてください。
一年でいくら純利益が増えたのか?減ったのか?純資産がいくらになったのか?負債がいくら増減したのか?をみることにより、一年間で企業の財政状態どう変わったのか?を知ることができます。
これらを把握するために役立つのが、貸借対照表です。企業の場合は、負債と純資産を合わせたものを、総資産と言います。なお、「借金も財産のうち」と、昔から言われていますが、企業でも同じように、総資産とは、負債(借金)を含めた財産のことを指すのです。
貸借対照表をイメージできるようになろう!
「総資産=負債+純資産」となっています。
貸借対照表のイメージ図をご覧ください。
負債と純資産を合わせたものを、総資産と言います。
総資産のことを、アセット(Asset)とも言います。
負債のことは、他人資本、または借入金、借金、ライアビリティ(Liability)などとも言われています。他人から借りているお金の為、返済しなくてはならないお金です。
純資産のことは、株主資本や自己資本、資本金、エクエティ(Equity)などとも言われることもあります。こちらは、株主から集めたお金と、事業で稼いだお金の為、返済義務はありません。なお、今は純資産と株主資本、自己資本は、100%イコールではありません。しかし、上場企業の株式を分析する上では、多少の誤差は出るのですが、一般の投資家レベルでは、さほど気にする必要はありません。
総資産・負債・純資産の他の言い方は、今後、投資指標を理解するために必要な言葉もありますので、頭の片隅にでも置いておいてくださいね。
次回は、もう少し、貸借対照表の「総資産」「負債」「純資産」ついて、もう少し掘り下げてみたいと思います。
この記事へのコメントはありません。