【2011年 第7回】 投信購入時に注意すべき6つのポイント~投資初心者~
長谷 剛史(ハセ タケシ) ⇒プロフィール
前回は、「ゴールまでのお金の計画」について学びましたが、今回は、実際に投資をする金融商品の一つである『投資信託』について、投信購入時に注意すべき6つのポイントをご紹介します。
まず、投資信託とは何かを簡単にご説明すると、漢字の通り投資についてプロを信じてお金を託す金融商品になります。個人でどのような株式・債券・不動産等に投資するのが良いか判断するのは難しいですし、検討に時間もかかりますね。
投資信託に投資する最大のメリットは、資産運用の基本である『分散投資』ができることにあります。その他には、少額の資金から始められることや、個人で売買が難しいものにも投資ができるなどのメリットもあります。
それでは、ここから投信購入時に注意すべき6つのポイントを見ていきましょう。
① ≪販売手数料と信託報酬をチェック≫
投信は一般的に、購入時は販売手数料・保有している間は信託報酬・解約時(売却時)は信託財産留保額という3つの手数料が、たとえ運用成績が悪くてもかかります。この中では毎年かかってくる信託報酬に目を配る必要があります。運用成績が良くても手数料が高いとリターンは下がってしまいます。
② ≪投信のリスクの大きさと値動きの習性を知る≫
自分の年齢と資金の性格から、取れるリスクの大きさとマーケットの動きにどのような影響を受けるのかを認識します。運用はプロにお任せですが、株式型・債券型・国内型・海外型等を選択するのは投資家ですし、この選択次第でリスクや値動きは大きく変わっていきます。
③ ≪目先の運用成績だけで決めない≫
過去1年程度の成績で判断するのは危険です。少なくとも3年以上の運用成績がある投信から選んでいくようにしましょう。新商品だと優秀な投信なのかどうかを検討する成績自体が乏しいわけですから、判断できないですよね。
④ ≪純資産が少ない投信は要注意≫
純資産(投信の時価増額)が少ないと銘柄分散などの点で不利になります。また、投信会社はコストに見合う収益が得られないので、強制的に途中償還されるリスクがあります。目安は20億~30億以上です。
⑤ ≪基準価額の騰落率(上昇率)と純資産の増加率をチェック≫
基準価額(投信の価格)の騰落率(上昇率)と比較して、純資産の増加率が低い場合は、解約が増加し資金が流出していることが考えられますので注意が必要です。
⑥ ≪分配金が毎月分配型か無分配型か≫
毎月分配型は、投資の3つのポイントでお伝えしました複利と課税の繰り延べの効果が享受できませんので、現役世代で資金を増加させたいと考える方は、なるべく無分配型を選択するようにしましょう。
以上、投信購入時に注意すべき6つのポイントをお伝えしました。「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないように、上記の6点は必ずチェックするようにしてくださいね。
次回は、初心者が陥りやすい点を中心に「個人年金購入時に注意すべき5つのポイント」を解説しますので、楽しみにお待ちくださいね。
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