「個人年金購入時に注意すべき5つのポイント」【2011年 第8回】

【2011年 第8回 】「個人年金購入時に注意すべき5つのポイント」 ~投資初心者~

長谷 剛史(ハセタケシ)プロフィール

前回は、「投信購入時に注意すべき6つのポイント」について学びましたが、今回は、老後資金準備に使える個人年金を取り上げ、個人年金購入時に注意すべき5つのポイントをご紹介します。

 

 

 

 

 

まず、個人年金は大きく2つの種類に分けることができます。1つ目は貰える金額が決まっている定額年金、2つ目は貰える年金が変動する変額年金です。定額年金は一定期間の利回りが保障されていますが、変額年金は運用実績に応じて利回りが変動します。

定額年金は、老後の年金を元本保証で運用したいときに使うことができますが、インフレ時には物価上昇を上回る収益が得られないので資産価値が目減りしたり、また、途中解約や保険会社が破綻した場合、元本が毀損する可能性があります。

また、定額年金の一種として、老後の年金を高金利の外貨で運用したいときに使うことができる外貨建て年金があります。円建てよりも高金利なので外貨では増えていきますが、為替によっては円での評価額が目減りすることもあります。

次に、変額年金は、投資信託に年金・保険機能が付加された金融商品で、老後の資金準備のために運用して大きく資産を増やしたいときに使うことができます。組み入れている投資信託の値動きにより受取額は増減します。

それでは、ここから個人年金購入時に注意すべき5つのポイントを見ていきましょう。

①     ≪老後の必要資金を知ってから個人年金を購入する≫
老後にかかる生活費や老後に貰える年金額などから、まずは、いくら老後資金が必要なのかを知る必要があります。
今の生活を犠牲にしてまで必要以上の資金を残すことも、その逆に、楽観的に考えすぎて老後の生活資金が不足してしまうことも問題ですよね。
ある程度金額を把握した上で現在と老後に無理がないよう準備するようにしましょう。

②     ≪定額年金か外貨建て年金か変額年金か≫
自分のマネープランと運用方針に応じて、定額年金にするのか・外貨建て年金にするのか・変額年金にするのかを検討することが大切です。尚、変額年金の中でも元本保証タイプの商品は、定額年金に近い性格があります。

③     ≪変額年金ではゴール(目標額)に応じたアセットアロケーションを組む≫
老後の目標金額、マネープランに合ったアセットアロケーション(最適な資産配分)を組むことが重要であり、希望通りのアセットアロケーションを組めるかどうかがポイントになります。

④     ≪どのような手数料がかかるのか確認する≫
年金額保証、死亡保険金保証、契約初期費用、解約控除など何にどれだけ手数料がかかるのかを確認し、不必要な目的のために高い手数料を支払わないよう注意する必要があります。

⑤     ≪リバランス機能があるかどうかをチェックする≫
長期の運用ではアセットアロケーションの見直しが必要になります。アロケーションの割合が変わったときに、自動的に見直しをする機能が付加されているかどうかを確認することが大切です。

以上、個人年金購入時に注意すべき5つのポイントをお伝えしました。「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないように、上記の5点は必ずチェックするようにしてくださいね。

次回は、「年平均利回り10%に飛びつくな!」というタイトルで安定運用の重要性を解説しますので、楽しみにお待ちください。

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