【2006年 第4回】[相続] 葬儀代は経費になりますか?
上津原 章(ウエツハラ アキラ)⇒ プロフィール
葬儀は人生最後の大きなイベントです。
亡くなられた方の希望もある程度反映されます。
派手なことを好まれる方の葬儀は派手になり、節税に普段から関心がある方が亡くなられたら、残された方も節税を考えるのではないでしょうか。
以前こんな質問を受けたことがあります。
「会社の創業者の葬儀代は、会社の経費になりますか?」
いろいろな考え方があるとは思いますが、私なら
「経費にできますが、手間を考えると家族葬のほうがよいのではないでしょうか。」と答えます。(税務の判断は、税理士にご相談ください。)
社葬の注意点と家族葬の利点
社葬にすることによる注意点も気に留めておきたいところです。
社員や来場者に亡くなられた方の人間関係のことが分かってしまいます。
また、社葬にかかわっている時間、社員の方は営業活動ができなくなります。
そして、社葬にするかどうかのルールを決めておく必要があります。
例えば、「会社にとって功績があった」「業務中に亡くなった」などです。
思った以上に手間がかかります。
では、家族葬にした場合どうなるでしょう。
葬儀代は相続財産から差し引くことができます。(ただし、香典返しなど経費にならないものもあります。)
よって、相続税の節税になります。
社葬と違い、お金の計算を急ぐ必要はありません。
亡くなられた方や親族の方の意志によって小ぢんまりとお金のかからない葬儀を行うこともできるでしょう。
相続税は最大50%
葬儀にいくらお金をかけるかは個人の自由です。
また、税金の支払を少なくしたい気持ちも良くわかります。
ただ税率は、法人税が大きな会社であれば40%強、相続税は最大50%となりますので、一概に社葬のほうが良いとは言えません。
お金も大事ですが、葬儀のときは損得勘定抜きで亡くなられた方に心より感謝できるようにしたいですね。
創業者が亡くなられても、創業者の心はずっと多くの方の心の中に残っていくのですから。
【06年8月15日】
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